ニューヨークでも、カラオケ・ボックスってあるんですか?
アメリカ人が、日本人みたいに、カラオケを楽しんでるってほんと?そんなクエスチョンをいただきました。
日本では、カラオケ・ボックスがすごい人気ですよね。映画とか見ていると、それがよくわかります。
ゲームセンターや、カラオケボックス、そしてアニメ、ゆるキャラ。この21世紀の日本の文化の象徴のような感じがします。
かく言う私は、カラオケ・ボックスって実際には行ったことがないので、なんとなくだけど、仲間達と飲み食いができて、そして歌も歌えて、凄く楽しそうだな、とは思います。
私たちが若い頃、誰かがギターを1本持ってきて、みんなで集まってフォークソングを歌ってたのと同じような感じかな!あれは、めっちゃ楽しかった。
New Yorkには、かつて日本の飲食店が、イーストビレッジの8th Street 辺にたくさんあり、日本人街とまで言われてました。
現在は日本人の数がずいぶん減ったので、それほどではありませんが、まだ数件、日本風の居酒屋が残っています。
なので、この辺にカラオケ・ボックスがありそう。
ただ、現在カラオケが盛んなのは、きっとミッドタウンの34丁目あたりの、コリアン・タウンではないかと思われます。コリアンタウンで、ちょっと検索するだけでも4、5軒のカラオケ・ボックスが出てきます。
アジア人風に、グループの中だけで歌って楽しむ、カラオケ・ボックスのタイプもありますが、アメリカ人が好きなのは、なんといってもパブ・タイプのお店でのカラオケ。
というのも、アメリカ人は、人前で歌うのが大好きです。うまいヘタに関係なく、とにかくどんどん人前に出て行きます。拍手喝采浴びようなものなら、後へ引きません。(笑)
本当に、これはアメリカ人の凄いところだと思います、人前で物怖じしない。どんどん自分の意見を言うし、自分の歌を、歌いたいように歌う。
サーチしてみると、マンハッタンだけでなく、結構ニューヨークのいろいろな盛り場で、カラオケ・バーの名前が出てきます。飲みながら、好きな歌を歌うのは、理屈なく、楽しいんですよねぇ。
私が、現在ソロ・ピアノで、しっとりとジャズを演奏しているArturo’s と言う、グリニッジ・ビレッジのお店でも、大きな勘違いをしている、酔っ払いのお客さんが、たまに来ます。
グランドピアノの演奏をしている私のところに来て、「あなたが、この曲を弾いてくれたら、僕が歌ってあげてもいいよ」、と言うのです。(笑)
私がものすごく機嫌の良い時なら、「no problem, / ノープロブレム、Do It./ どうぞどうぞ」と言うかもしれませんが、そんな時ばかりではありません。
「Oh Sir, not today! / おととい、来やがれ」とは言いませんが、「It’s not a Karaoke night. / ここはカラオケではないので」と、申し上げることもあります。(笑)
とにかく、歌うのは楽しい。聞くのも楽しい。音楽って素晴らしい!
自分がこの仕事につけたのが、人生で1番素晴らしいことだった、と正直思います。
それではまた来週♫
Kayo
平木かよ / Kayo Hiraki
ニューヨーク在住 2017年より、世界屈指の米国グラミー賞の投票権を持つ。同じく米国スタインウェイ・ピアノ公認アーティスト。現在、グリニッジ・ビレッジのジャズの老舗「Arturo’s」のハウス・ピアニストとして、週に5日、自己のトリオで演奏活動を続けて26年目。ニューヨーカーに、スイングの楽しさを届けている。ベースの巨匠、ロン・カーターとのトリオで、ブルーノート・NYへも出演。JALの国際線機内誌でも、海外で活躍する日本人として大きく取り上げられた。また、舞台「ヴィラ・グランデ青山」では山田優がジャズシンガーに扮するシーンでの、ミスティーのピアノ伴奏。カナダ・トロント・リールハート国際映画祭でブロンズメダルを受賞した映画「Birth Day」への挿入曲提供と共に、ピアニスト役で出演。フランス・パリ日本文化会館での館長招聘コンサートや、台湾にて、最大規模を誇る、台中ジャズフェスティバルへの出場など、世界を股にかけるスイング感あふれる彼女のピアノとボーカルには、定評がある。定期的に、くにたち音楽大学ジャズ専修で講義を持つ。