こんにちは
NYのKayoです。
日本に帰るたびに驚くのは、道路上の「可愛らしさ」です。
街を走る車たちの様々な色合いは、まるでおもちゃ箱をひっくり返したよう。くすみピンク、スカイブルー、ミントグリーン、クリームイエロー、カフェオレ、抹茶オレ、、、ボックス型の軽自動車が、ちょこちょこと軽やかに走り抜けていきます。
あの丸いヘッドライトなんて、まるでウサギの目のように愛嬌たっぷり。すごい可愛い。
アメリカ人の知り合いが、東京で、かわいい軽自動車の写真を撮りまくっていたのを思い出します。
「車って、こんなに性格が出る乗り物だったのかな?」そんな気がしてしまうほど、日本の軽は人懐っこい。狭い道をスイスイ走り、小回りがきくし、燃費もいい。
それでいて、乗せてもらったら、中がずいぶんと広くて快適。あのサイズ感は、まさに日本の暮らしにぴったりの存在ですよね。
何でもでっかい国、アメリカ
ところがアメリカに戻ると、風景が一変します。
ニューヨークの街並みには、堂々たるSUVやピックアップトラックがずらり。道路を走る車の一台一台が、どこか “Look at me ! “ (私を見て!)と主張しているよう。
アメリカでは、車は移動手段である以上に、大事な自己表現の手段。だから車も大きくてパワフル、まるでその人の個性を象徴するようです。
たまに、おいおい、そこまでするかいって言う車も結構見かけます(笑)。
そんな中で、時々すれ違う豆粒みたいな(!)車を見ると、思わず微笑んでしまいます。
それが Smart Fortwoでした。全長わずか2.7メートル、たった2人乗りの小さな車です。まるで「アメリカの中の日本の軽!」と呼びたくなる存在。一時期はニューヨークでもたまに見かけましたが、最近はSUV人気に押されて、すっかり姿を消してしまいました。
それでも時々、Fiat 500 や Mini Cooper を見かけると嬉しくなります。どちらもヨーロッパ生まれの小型車で、丸みを帯びたデザインや素敵なカラーがチャーミング。アメリカの道路ではまるで小鳥のように可愛く見えます。とはいえ、それでも日本の軽よりは一回りも二回りも大きい。
最初は驚きましたが、なんと「軽」という概念そのものが、アメリカには存在しないのです。
日米、用途と目的が全く違う
日本の友人に「アメリカでは軽自動車が走っていないのよ」と言うと、みんな一様に「えっ、どうして!?」と驚きます。
でも、アメリカの人たちにとっては、小さな車は危ない、というイメージの方が強いようです。
以前、アメリカ人の友人に「日本の軽は本当に可愛いのよ」と話したら、すぐに返ってきたのは
“Is it safe!?”(それ安全なの!?)
の一言。
アメリカでは「車=守ってくれる存在」であり、自分の身を守るシェルターのような感覚があります。
ハイウェイをぶっ飛ばすバカでかいコンボイトラック達、それと一緒に長距離を走ってどこまでも行くのですから、車は、大きくて安全を守るために強固でなくては、というのがまず第一番に彼らの理想のようです。
一方で、日本の車は「他人と調和する存在」。地方へ行けば足代わり。道が狭くても譲り合える、駐車場にもすっぽり収まる、そして何よりも街に馴染んでる。つまり、軽自動車は、人と社会にやさしいサイズがベストなんですよね。
強いて言えば、アメリカの車文化は、パワー。日本の車文化は、効率、かなぁ。どちらも、その国の暮らし方や価値観を、そのまま映していると思います。
車の流れを眺めているだけで、国の性格が見えてくるようです。
今日も、ニューヨークのアヴェニューで、変わり映えのしない白やシルバー、エンジやブラックの大きな車の流れを見ながら、「日本の軽たちがここを走ったら、どんなにか可愛いのにな〜!」と思ってしまいました。
でもきっと、あのゴツいトラックたちの間で、おそるおそる身を寄せて走る姿が目に浮かんで、それはそれでまた、愛おしい光景かもしれません。
それではまた次回♫
Kayo
平木かよ / Kayo Hiraki
ニューヨーク在住 2017年より、世界屈指の米国グラミー賞の投票権を持つ。同じく米国スタインウェイ・ピアノ公認アーティスト。現在、グリニッジ・ビレッジのジャズの老舗「Arturo’s」のハウス・ピアニストとして、週に5日、自己のトリオで演奏活動を続けて26年目。ニューヨーカーに、スイングの楽しさを届けている。ベースの巨匠、ロン・カーターとのトリオで、ブルーノート・NYへも出演。JALの国際線機内誌でも、海外で活躍する日本人として大きく取り上げられた。また、舞台「ヴィラ・グランデ青山」では山田優がジャズシンガーに扮するシーンでの、ミスティーのピアノ伴奏。カナダ・トロント・リールハート国際映画祭でブロンズメダルを受賞した映画「Birth Day」への挿入曲提供と共に、ピアニスト役で出演。フランス・パリ日本文化会館での館長招聘コンサートや、台湾にて、最大規模を誇る、台中ジャズフェスティバルへの出場など、世界を股にかけるスイング感あふれる彼女のピアノとボーカルには、定評がある。定期的に、くにたち音楽大学ジャズ専修で講義を持つ。





